医薬部外品の有効成分としても知られるビタミンC。
美白や抗酸化などの効果で広く知られており、美肌維持だけでなく健康維持を目的として日頃から気にして摂取している方も多いのではないでしょうか。
食品ではレモン、アセロラ、キウイなどの果物や赤ピーマンやブロッコリーなどの野菜にも多く含まれています。皮膚や腱、軟骨などの結合組織を構成する、コラーゲンというタンパク質の合成に不可欠なビタミンです。
このため、ビタミンCは皮膚の健康維持には欠かせない成分です。
実はビタミンCには様々な種類があることをご存知でしょうか。
化粧品に配合されるビタミンCの種類と、その役割について解説します。
ビタミンCの肌への効果
ビタミンCと聞くと美白を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
ビタミンCには美白だけでなく他にも肌に嬉しい効果がたくさんあります。
① 美白作用
メラニン色素の生成を抑える作用とともに、できてしまったメラニン色素を還元する作用があります。
② コラーゲン生成促進
コラーゲンを増加させることでシワやたるみに効果的です。
③ 皮脂の分泌を整える
皮脂の分泌を整え、毛穴ケア、ニキビ肌に効果的に働きます。
④ 活性酸素発生抑制
肌のサビとも言われる活性酸素を抑制することで、様々な肌の老化を予防します。
このようにビタミンCには肌にとって様々な嬉しい効果が期待できます。
ただし、ビタミンCの種類によっても肌に対する影響が少し変わってきますので下記で説明いたします。
ピュアビタミンCとビタミンC誘導体
ビタミンCにはピュアビタミンCとビタミンC誘導体の2種類存在します。
ピュアビタミンCは化学的になにもされていない純粋なビタミンCです。
化粧品表示名は「アスコルビン酸」などとなります。
ビタミンC誘導体はピュアビタミンCを化学的に作り変え、化粧品に配合しやくした成分です。
このビタミンC誘導体には水溶性・油溶性・両性の3種類が存在しており、それぞれ特徴が違いますので下記で詳しく説明していきます。
ピュアビタミンCとは
ピュアビタミンCはその名の通り純粋なビタミンCです。
肌に塗ることですぐに効果を発揮してくれ、即効性の高い成分です。
ただし、非常に不安定な成分で酸化のスピードが速く、角質層への浸透力も低いと言われています。
メーカーによってはカプセル化することで酸化スピードを遅くするなどの改良を加えていますが、基本的に配合する場合は普通のピュアビタミンとなりますので酸化することを前提に配合することになるでしょう。
ビタミンCは酸化することでバルク自体が褐色になっていきますので、バルク自体に色を付けることで酸化してもバルクの色が変わったように見えないという処置を行ったりします。
酸化のスピードが速く不安定なため、ピュアビタミンCの高配合はオススメしていません。
他の成分の補助的な役割で配合するのが良いでしょう。
ビタミンC誘導体とは
ビタミンC誘導体とはピュアビタミンCを化学的に修正した成分です。
ピュアビタミンCを別の分子で保護しているようなイメージで、肌に塗布することで肌の酵素を反応してビタミンCへと変化します。
改良することで、ピュアビタミンCでネックになっていた不安定さや浸透力の低さを改善しています。
安定化したことで化粧品への配合も容易になり、様々な化粧品に配合されています。
ビタミンC誘導体には「水溶性」、「油溶性」、「両性」の3種類が存在しており、それぞれ特徴があります。
① 水溶性ビタミンC誘導体
水に溶けやすく化粧水や美容液などの水分の多い化粧品に採用されることが多い成分です。
3種類の中では浸透が早く、短期間で効果を発揮しやすい成分です。
成分:リン酸アスコルビルMg、アスコルビル酸グルコシドなど
② 油溶性ビタミンC誘導体
油に溶けやすくクリームやオイルなどの油溶性バルクに採用されることが多い成分です。
水溶性に比べ浸透は遅いですが、角質層への吸収率が高いとされています。
また、油溶性には保湿性もあるため、乾燥から肌を守る効果も期待できます。
効果や持続性を考えると水溶性よりも油溶性の方が高いと言われていますが、化粧水などの水分の多い製品には高配合するのが難しくなりますので注意が必要です。
成分:テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビルなど
③ 両性ビタミンC誘導体
水溶性、油溶性両社の特徴を持ち合わせるのが両性ビタミンC誘導体です。
水と油両方に溶けるため、多くの製品に使用することが可能で、即効性と浸透性どちらも兼ね備えた優秀なビタミンC誘導体です。
特に浸透力に優れ、ピュアビタミンCの100倍以上とまで言われています。
両性ビタミンC誘導体は真皮まで届くと言われていますが、メーカーのサイトではその件に関して言及はされていません。
肌の奥まで浸透させる場合には油溶性・水溶性の両方の特徴が必要になると言われていますが、両性ビタミンC誘導体にはその両方が備わっていると言えます。
ただし、価格が高いことがネックになります。高配合するとそれなりに単価が上がってきますので予算との兼ね合いを考えながら配合量を決めていきましょう。
成分:パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na、イソステアリルアスコルビルリン酸2Naなど
これらの成分は種類によっても少し効果が違うものもあり、組み合わせて配合することでより広い効果をカバーすることが可能です。
よく「〇種のビタミン配合」と書いてある製品はそれぞれの成分の特徴を活かして処方を組み、数種類配合することで1種類では足りない効果をカバーしています。
ビタミンCに副作用はある?
ビタミンCは安全ですが、多少刺激のある成分です。
高配合の製品を使用した際にピリピリとした感覚になったことはありませんでしょうか?
特に敏感肌のひとはビタミンCの酸性に反応してピリピリしたり赤みが出てしまう可能性があります。
また、普段は問題なく使用できていたとしても乾燥や肌トラブルでバリア機能が弱っている場合はビタミンCによる副作用も出やすくなりますので注意が必要です。
肌の弱い方は配合量の少ない製品から使用し、パッチテストを行ってから使用していきましょう。
まとめ
昔から使われている人気成分「ビタミンC」について解説しました。ビタミンC1つとっても色々な種類があることがお分かりいただけたかと思います。
医薬部外品に配合することで「美白」効果を表記することも可能です。(※注釈が必要になります。)
化粧品に配合する場合はそれぞれの特徴を活かして配合していきましょう。
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